南米のウルグアイの元大統領である
ホセ・アルベルト・ムヒカ・コルダノ氏(89歳)が
亡くなったとニュースで知りました。
思わず涙が出てしまいました。
2012年ブラジルのリオデジャネイロで
188カ国の首脳と閣僚級・政府関係者などが
出席し、自然と調和した人間社会の発展
貧困問題が話し合われた国連会議の場で
約8分間のスピーチをし拍手喝采となり
一躍、時の人ととなった方です。
そのスピーチの内容が絵本化され
「世界でいちばん貧しい大統領のスピ-チ」が
出版されています。
私は動画で
そのスピーチを観ましたが
一瞬で心を掴まれ
彼の柔らかな眼差しから
優しさとその根底にある
厳しさを感じました。
この世に素晴らしい考えや愛を
お持ちの方がいてくださったことに
安堵感と感謝を感じたのです。
彼の在り方は
心がささくれ立ってしまう
不安や恐怖の言葉の乱立が
多いこの世の中に
宇宙の叡智を
優しさで包んだ光が
現れたようでした。
その眼差しと言葉の背景にあるのは
彼自身の生き方。
父を幼い頃に亡くし
母子家庭で育ち
決して裕福ではなかった暮らし。
自らもアルバイトをして
家計を支えながらも大学を卒業した。
働きながら社会活動に目覚め
極左武装組織に加入して
ゲリラ活動も経験し
6発の銃弾に打たれ
逮捕歴4度。
13年間の獄中暮らしを経て
2010年に下院議員に当選し
主に環境問題に取り組んできたという。
「貧乏な人とは、
少ししか物を持っていない人ではなく、
無限の欲があり、
いくらあっても満足しない人のことだ」
これは国連会議での有名な言葉。
その他にも
私達に生きる上で大切な言葉を投げかけている。
彼が遺してくれた言葉の数々と
自然界と調和する素朴な生き方は
私達の生きる指針となり
財産であると思います。
内側にあるものは
外側に映し出されます。
目はすべてを物語ります。
心からご冥福をお祈り申し上げます。